乱売の苦境を脱す再販制度

2011.04.26

戦後の復興景気は急速なスピードで進行し、その結果激しいインフレと極度な物価の上昇を招く。一方、小売商業の活発な進展とともに乱売合戦が横行した。化粧品が持つブランド力は、消費者にとって魅力であることから、おとり商品として安売りの目玉商品になっていく。無秩序な安売り攻勢は、さらなる乱売合戦を生じさせ、乱売に次ぐ乱売で小売店だけでなく、卸、問屋の経営不安にまで広がっていく。そして、最終的にはメーカーから小売店、卸、問屋などへの経営支援のための資金援助、商品納入価格の引下げなどの問題に発展する。その結果、化粧品メーカーの中には、製品原価引下げのために品質の劣悪な商品を製造せざるを得なく、消費者に品質優良の商品を提供することが不可能となっていく企業も出てくる。こうして、化粧品がおとり商品として無秩序の乱売合戦に巻き込まれることで、小売店は苦境に立だされ、小売、卸、メーカーの倒産、廃業が相次ぐという化粧品業界全体に与える悪影響はもちろんのこと、最終的には消費者の不利益まで生じることとなり、大きな社会問題に発展した。このような社会背景をもとに、化粧品業界は総力を挙げて、定価販売を義務づげる再販制度の制定を公正取引委員会に陳情していた。その結果、昭和二八年の改正独禁法の内容に再販売価格維持制度の特例が認められたのである。再販制度とは「売手であるメーカー・卸売業者が、買い手である卸売業者・小売業者に再販売価格を指示して、その指示した価格を維持させるように拘束する制度」をいう。結果的にこの再販制度で、制度品システムの化粧品メーカーは乱売合戦が止まるとともに、価格の安定が図られ業界の秩序が守られていくこととなる。その意味から、再販制度の制定は化粧品業界の発展に多大なる貢献を果たし、その結果三〇年代から四〇年代にかけて、化粧品産業が日本の高度成長をリードする消費財として重要な役割を果たすのである。
(参考)
アンチエイジングのこと

アンチエイジングの効能

アンチエイジングの特性