患者は涙の存在すら知らない

2012.01.20

たとえば患者の治療費が一万円だった場合、病院は治療費の患者負担分二〇〇〇円を差し引いた八〇〇〇円を保険組合に請求します。この際、「患者の治療に必要でない検査やクスリが多いので七〇〇〇円しか払いません」と保険組合が病院に一方的に通告してくることを査定というのです。この査定という言葉は、保険組合にしてみれば都合のよい言葉ですが、病院側にとっては、単なる「医療費の踏み倒し、食い逃げ」と同じ行為なのです。医療側の不満としては、支払い拒否分を病院が全額負担する経営上の問題があります。

[参考サイト]
一般外科/非常勤|外科医師のアルバイト・求人情報はリクルートドクターズキャリア【外科求人サーチ】
http://k-search.recruit-dc.co.jp/search/regular_flag=2/dept=39/

形成外科/常勤|外科医師の転職・求人情報はリクルートドクターズキャリア【外科求人サーチ】
http://k-search.recruit-dc.co.jp/search/regular_flag=1/dept=12/

関東/常勤|外科医師の転職・求人情報はリクルートドクターズキャリア【外科求人サーチ】
http://k-search.recruit-dc.co.jp/search/regular_flag=1/area=2/

査定率三%であれば、一〇億円の保険収入の病院では三〇〇〇万円の損害になります。大部分の病院が赤字経営で、黒字の病院でも1%前後の黒字ですから、三〇〇〇万円の損害は病院経営の足をさらに引っ張ることになります。もちろん損失分を患者個人には請求できません。逆に保険で拒否された医療費の自己負担分を、患者に返すのが建て前になっているのです。さらに治療上必要と思われる投薬や検査に制約を受けることは、生命を預かる病院の社会的使命感を傷つける結果になっています。このように治療上の必要性や医師の人道的使命感が評価されないのに加え、査定は学問的な裏づけはまったくなく、都道府県による違いもあれば、昨年はよくても今年はダメという一定の基準がないのです。しかも病院側の抗議に対し、杓子定規的な対応しかなく、多くは病院側の泣き寝入りに終わる場合がほとんどです。この不当権力に対する涙を、病院は国民に訴えようとしないので、患者はその涙の存在すら知らないでいるのです。