仲介者が縁談を進めるについては、本人の人柄を相手に説明するのが大事なしごととなります。「仲人はウソを四百ずつにつき」という川柳があります。「ウソ八百」といいますから仲介は男性側と女性側の両方に対してウソをつくので四百ずつのウソをつくというのですが、本人の長所美点を誇張してほめあげ、短所欠点はヒタかくしにするのでは、よい仲人とはいえません。真実は必ずあらわれるもの、そのときはもう一緒になっているからかまわないというのではあまりに無責任すぎます。むかしはともかく、今日では即時離婚ということも起こりがちで、当然、正確に伝えないと仲人の責任が問われるようになるでしょう。といって、あまり正直に短所欠点を述べ立てては、まとまりそうな話もまとまらなくなってしまいます。男性でも女性でも、独身時代の欠点が結婚によって矯正される場合も少なくないのですし、またよい配偶者が本人の欠点をおぎなって世間にアラを見せなくなる例もありますから、あまり本人の欠点を強調せずに、長所美点を伝えることに重きを置くという話し方がよいでしょう。それも、必要以上に宣伝するよりも、短くとも相手に深く好印象を与えるような言葉を選ぶことが大切です。「すばらしい美人」でというより「背がスラリとしてスタイルがよい」とか「目が大きくて美しく澄んでいる」とか「鼻すじがとおって色が白い」とか「あごがふくよかで愛情がゆたかそうに見える」というように具体的に美点を伝えるのが効果的です。容貌がとくにすぐれていない女性については「顔は十人並みだが声が美しい」とか「性質がとても素直でやさしく世話女房型だ」とか「勝気でキビキビしていて働き者だ」とその女性のもっとも魅力となっている点を強調します。男性を説明するには、容貌の美しさよりは性質の特徴、長所を第一に採りあげねばなりません。「ちょっと見は不愛想だが、誠実な男」とか「女性的に見えるが、芯はしっかりしている」とか「小柄で貧弱に見えるか、頭がよくて仕事ができるので信頼されている」というぐあいに見かけよりも内面的な長所に重点を置いて推薦します。学歴も、一流大学卒で秀才と、実際にそのとおりならよいが、少しでもハクをつけようとするよりも、「成績はとくに優秀というほうではないが、友人の間で信頼があっかった」というほうが、かえって先方に安心感を与えることも心得ておかねばたりません。